軽費老人ホームとは、文字通り、利用者が無料または低額の軽費で利用することができる入居型介護施設である。軽費老人ホームは、「A型」「B型」「C型(ケアハウス)」の3種類に分かれます。「C型(ケアハウス)」が国の福祉政策によって設置が開始になったのが1990年です。その流れもあり、2008年6月以降、「A型」「B型」の新設は見られていません。そのため、軽費老人ホームとしては「C型(ケアハウス)」が現在の主流となっています。ここでは、軽費老人ホーム(ケアハウス)という介護施設の一種について紹介しています。軽費老人ホームには数種類の施設が存在しますが、なかでも新設が進む「ケアハウス」を中心に紹介しています。
食事サービス提供ありの「A型」
A型は、収入が一定程度以下で身寄りのないか、家庭の事情により家族との同居が困難な、60歳以上の人が対象の施設です。食事が提供されます。運営主体は、社会福祉法人や地方自治体です。
食事が自炊の「B型」
家庭環境や住宅事情により、自宅での生活が困難な、60歳以上の人が対象の施設です。また、自炊ができることが条件となっていることが特徴です。部屋には、調理設備と洗面所が備え付けられています。運営主体は、社会福祉法人や地方自治体です。
軽費老人ホームの主流「C型(ケアハウス)」
「C型(ケアハウス)」の軽費老人ホームには、「一般型」と「介護型(新型)」の2種類があります。
一般型
家庭や家族の事情で自宅での生活が困難な人が入所できます。60歳以上の高齢者または、夫婦のどちらか一方が60歳以上であることが入所条件です。一般型のケアハウスでは、必要な介護サービスを外部へ依頼し、利用します。利用者が自立できていないと判断した場合には、転居を促すこともあります。運営主体は、社会福祉法人や地方自治体、民間事業者です。
介護型(新型)
要介護度1〜5の人が入所対象です。介護型(新型)のケアハウスでは、重介護度になっても住み続けることが可能です。民間企業が建設した建物を市区町村が買い上げ、事業者に貸与して運営を委託しています。
ケアハウスでの仕事内容は?
一般型のケアハウスでは、食事・洗濯・掃除・見守りサービスが中心となります。利用者が自立している前提がありますので、身体介護の提供機会はほぼないのが特徴です。介護予防や自立支援のための、レクリエーションやイベントが積極的におこなわれる施設もあります。
介護型のケアハウスでは、要介護度1〜5の人を受け入れていますので、食事・洗濯・掃除などの他、入浴補助や機能訓練、医療ケアも提供します。
ケアハウスではどんな人が働いているの?
ケアハウスでは、医師、看護師、機能訓練士、介護福祉士、ホームヘルパー、調理師、栄養士、生活指導員、事務員などが働いています。配置基準は各施設により異なります。
ケアハウスの給与の相場は?
ケアハウスの首都圏の月給の相場は、約20〜25万円となっています。資格手当や、夜勤手当がつく施設がほとんどです。なかには、年俸制をとる施設もあります。ケアハウスの給与は地域や運営主体によっても大きくことなりますので、各求人を比較して調べることが必要です。求人によっては高収入を得られるものもあります。ケアハウスの求人ではパート・アルバイトの求人が多いのも特徴で、首都圏時給での相場は、900円〜1200円となっています。
ケアハウスで働くことのメリット
未経験・無資格でもチャレンジできる!
一般型のケアハウスでは、見守りや食事などの生活介護サービス提供が中心におこなわれるので、介護の専門知識やスキルが、初期の段階ではそこまで必要ないケースがあります。そのため、特にアルバイト・パートの求人では、未経験・無資格でも採用をおこなっている施設もあります。正社員求人でも、未経験・無資格OKで、資格取得支援をおこなっている施設もあります。そのため、転職をしてから介護についての勉強を始めることも可能です。
幅広い介護知識・スキルを身につけることができる!
介護型(新型)のケアハウスでは、要介護度1〜5の人を受け入れています。そのため、要介護度に合わせ、さまざまな介護サービスを提供することになります。重度の要介護者を主に受け入れる特別養護老人ホームなどで勤務することと比較すると、より幅広い介護に日々触れることができると言えます。
好きな働き方を選ぶことができる!
ケアハウスでは、正社員、パート・アルバイト、派遣など、さまざまな雇用形態で働くことができます。そのため、自分の理想の働き方を選ぶことができます。ケアハウスの場合、夜勤が主にあるため、正社員として働く場合には月4〜5回の夜勤をする前提で考えたほうが無難です。一方、パート・アルバイト、派遣の場合は、夜勤シフトのあり・なしを選ぶことができます。夜勤手当がつくと収入をアップすることができます。
ケアハウスで働くことのデメリット
人間関係に悩むことがある
ケアハウスでは、職員として女性が多い傾向にあります。そのため、女性同士特有の悪口の言い合いや、悪いうわさの流し合いなどの、人間関係の悪化が起きやすいということがあります。また、医療スタッフ対介護スタッフ間の人間関係がうまくいかず、悩んでしまうケースも見受けられます。ただし、これはケアハウスに限らず、介護業界で働く上ではどこでも問題となることですので、ある程度はこのようなことが起こるという覚悟を持った上で、転職活動をおこなう必要があります。
介護専門の転職サイトでケアハウスの求人を探してみよう!
ケアハウスは、有料老人ホームやサービス付き高齢者住宅とサービス内容が似ている傾向があります。そのため、有料老人ホームやサ高住への転職を希望している人は、ケアハウスへの転職も検討するとよいかと思います。転職サイトによっては、ケアハウス・有料老人ホーム・サ高住のどの施設なのかが曖昧に表記されているものもありますので、コンサルタントに確認するか、面接時に採用担当者に確認することをおすすめします。
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