保健師は医療系の資格の中で安定的に人気が高く、最近では介護施設の保健師の採用ニーズが高まっていることも追い風になっています。ここでは、介護施設へ転職をお考えの保健師や保健師を目指している人に、仕事内容や仕事のやりがいについて紹介しています。
保健師の基本的な仕事内容や役割
保健師の主な仕事内容は、病気や怪我を予防するための保健指導や健康診断をおこなうことです。また、最近では精神的ストレスなど心の問題を抱える患者も多いため、ストレスコントロールに関するアドバイスやケアも大切な役割の1つです。
介護施設の保健師の仕事内容や役割
基本的な仕事内容や役割は同じですが、介護施設では高齢者を対象に仕事を行う点に仕事のやりがいや難しさがあります。例えば、高齢者は若い人と比較して病気や怪我のリスクが大きいため、より丁寧な指導や診断が求められます。また、認知症の患者も多いため、コミュニケーションに工夫が求められることもあります。なお、保健師の主な役割は病気や怪我の「予防」であるため、特別養護老人ホームなど要介護度の高い利用者が多い介護施設では採用ニーズが小さく、有料老人ホームなど要介護度の低い利用者が多い介護施設では採用ニーズが大きいという傾向があるということも転職の予備知識として覚えておきましょう。
保健師が介護施設に転職するメリット
保健師が介護施設に転職することで、自身のキャリアを広げるキッカケになるというメリットがあります。日本では高齢人口の増加と並行して、介護施設数の増加や高齢者を支えるサービスの拡充が続いており、保健師を含めた介護業界を支える人材の採用ニーズも高まり続けています。そのため、将来的な年収アップや安定雇用を見据えて、今のうちから介護施設に転職を決める保健師が増えています。
保健師が介護施設に転職するデメリット
介護施設が求めている保健師の絶対数は、医療機関や教育機関などと比較すると決して多くありません。そのため、保健師として介護施設へ転職したいと考えても、時期や地域によっては求人数が極めて少なく転職活動に苦戦することがあります。このリスクを回避するためには、転職シーズンに合わせて転職したり転職活動期間を長めに設定したりといったことが挙げられます。
介護施設に向いている保健師はこんな人
コミュニケーション能力は保健師にとって重要なスキルですが、介護施設で働く保健師には特に求められるスキルです。主に高齢者を相手に仕事をするため、分かりやすく噛み砕いて説明や指導をしたり、ハキハキと聞き取りやすい話し方を心がけたりといった工夫が必要です。また、介護サービス利用者の家族に対する説明も大切な業務の1つであり、信頼関係を構築することが求められます。
介護施設の保健師の年収や時給の相場
介護施設の保健師の年収の相場は全国平均で500万円前後、時給の相場は1,500円〜2,000円程です。年収や時給が高い産業保健師と比較すると低めの相場であるため、仕事内容ややりがいなどを比較して総合的に判断することをお勧めします。なお、日本の高齢社会の進行に伴って、介護施設の保健師の採用ニーズも高まっていくと予測されるため、将来を見据えて介護施設で経験を積むという選択も良いでしょう。
保健師が介護施設へ転職を成功させる2つのコツ
1.求人情報をこまめにチェックしよう!
一般的な保健師の求人と同じように、介護施設の保健師の求人は少なく競争率も高いため、複数の求人サイトや転職サービスを使って求人情報をこまめにチェックしておくことが大切です。また、自分の条件にマッチした求人を見つけるために、最短でも1ヶ月以上の転職活動期間を設けておくことをお勧めします。
2.看護師として働くことも視野に入れておこう!
前述の通り保健師の求人は限られているため、保健師の資格を持っている人でも必ず保健師として転職できるという訳ではありません。そのため、看護師として介護施設へ転職することも視野に入れておくことが現実的であり、保健師の求人と並行して看護師の求人もチェックしておくことをお勧めします。介護施設の看護師の仕事は病棟勤務の看護師とは大きく異なり、特に働きやすさの点でメリットが大きいため是非チェックしてみてください。
専門の転職サイトを使って転職活動を進めよう!
介護業界への転職に興味のある人は、看護師専門の転職サイトや介護職専門の転職サイトを使って転職活動を進めましょう。保健師の求人は限られているため、これらの専門サイトに複数登録して、とにかく新着の求人情報や自分の条件にマッチした求人情報をいち早く見つけることが重要です。さらに、転職サイトを利用することで非公開の求人を紹介してもらうことができるという点も大きなメリットです。介護施設は保健師の職場としてメジャーであるとはまだ言えないため、転職することに不安を感じる人も居ると思いますが、興味のある人は是非チャレンジしてみてください!