介護職の雇用形態は、他の業界の雇用形態と同様に、「正社員」「契約社員」「アルバイト・パート」「派遣」の4つが存在します。正社員の求人がもっとも多いですが、パート・アルバイトと派遣を合わせると、正社員の求人数とほぼ同じかそれ以上になります。契約社員の雇用形態は、他と比べると少ない傾向にあります。
ここでは、介護職の4つの雇用形態についての説明を、メリット・デメリットを中心におこなっています。箇条書きで簡潔にまとめていますので、ぜひ雇用形態ごとに比較しながら、自分にあった雇用形態を探してみてください。
1.無期限雇用契約の「正社員」
介護業界は人手不足のため、安定的に働いてくれる正社員を求める傾向が強くあります。正社員は、業務のなかでも利用者に対して責任を負う部分が多く、ストレスを感じることも多いですが、それ以上にやりがいを感じられる立場でもあります。
介護業界の正社員のメリット
- 雇用が安定しているため、解雇の可能性が基本的になく、定年まで働くことができる
- 昇給・賞与・退職金・各種手当・福利厚生が充実している
- キャリアアップにもっとも有利な雇用形態である
- キャリアや年齢に関係なく、正社員での採用を目指せる
介護業界の正社員のデメリット
- 業務上の責任が重い
- 希望の休暇が取りにくく、休日出勤も発生しやすい
- 転勤の可能性がある
- 残業が発生しやすい
- 年収が派遣より低くなる可能性がある
2.契約期間が最長5年間と定められている「契約社員」
契約社員は、最長の契約期間が5年間と定められています。そのため、期間満了後の登用は保証されておらず、契約が打ち切りになった場合には、新たな職場を探すことになります。なかには、契約社員後に正社員登用をおこなう事業所もあります。契約社員は、「準社員」「嘱託」「非常勤」「臨時社員」などと呼ばれることもあります。
介護業界の契約社員のメリット
- 転勤がない
- 事業所によっては賞与が支給される可能性があり、勤務期間中は正社員とほぼ同等の待遇を受けられることも多い
- 正社員登用のチャンスがある(契約社員を経てしか正社員になれない求人もある)
- 正社員に比べ業務の内容が限定的であるため、専門性の高いスキルや知識を身につけることができる
- 契約期間中の解雇はない
- 正社員と比較すると、夜勤が免除になる可能性が高い
介護業界の契約社員のデメリット
- 契約期間があるため、満了時には、自分の意思に関わらず契約が打ち切られる可能性がある
- 昇給・賞与・退職金がない場合が多い
3.働き方の多様な選択肢がある「派遣」
派遣は、他3つの雇用形態と比較すると、働き方の幅が広い雇用形態です。派遣の場合、最短1日のみの勤務もありますし、フルタイムでの勤務もあります。また、「無期雇用」「有期雇用」の2種類が存在し、無期雇用の場合は正社員と同様に期限がなく働き続けることができますが、有期雇用の場合は最長3年間の派遣になります。有期雇用から無期雇用への変更や、派遣から正社員への登用をおこなっている施設もあります。
介護業界の派遣のメリット
- 最短1日からの、期間限定の就業も可能
- アルバイト・パートと比較すると、時給が若干高い。年収換算すると、正社員よりも収入が高くなることもある。
- 転勤がない
- 有給消化がしやすい
- 職場が合わなかった場合、次の職場を派遣会社から紹介してもらえる
- 職場の行事や会議などへの出席が免除されることがある
介護業界の派遣のデメリット
- 就業前に研修期間がある
- 契約期間満了時に契約が打ち切られる可能性が高い
- 昇給・賞与・退職金・交通費がない場合が多い
- 決められた仕事しかおこなうことができない
- 即戦力でないと採用につながらないケースが多い
4.時間・日数に制限がある人への安定した雇用形態「アルバイト・パート」
「日中のうち数時間しか勤務できない」「週に2〜4日しか勤務できない」など、働ける時間や日数に制限があるけれど、定期的に働きたい人におすすめなのが、アルバイト・パートの雇用形態です。さまざまな求人から自分の生活スタイルに合った働き方を選択できることが最大のメリットです。
介護業界のアルバイト・パートのメリット
- 短時間の勤務でも希望が通りやすい
- 曜日や場所を限定させて働くことができる
- 大きな責任のある仕事は任されないため、負担が軽い
- 転勤がない
介護業界のアルバイト・パートのデメリット
- 賞与・退職金がない場合がほとんど。昇給もない場合が多い
- 契約期間は存在しないため、いつまで仕事を続けられるか分からない
- キャリアアップにはつなげにくい
- 福利厚生の充実は望めない
- 勤務時間が短いため、利用者の些細な変化に気づきにくい。また、仕事を始める前の引き継ぎが大変
自分にあった雇用形態を選ぶためのポイント
人生設計を立てよう!
4つある雇用形態には、どれもメリットとデメリットがあります。つまり、一概にどれが良くて、どれが悪い、といった話ではないのです。要は、自分が送りたい人生設計に合ったものが、自分にとって最適な雇用形態なのです。
例えば、介護業界で着実にキャリアを積みたいのであれば、なるべく早く正社員になる道を選ぶのがいいかもしれません。ただ、正社員で希望の職種がない場合には、少し遠回りに感じるかもしれませんが。契約社員として5年間の勤務をおこなったあとに正社員登用を目指すのでもよいでしょう。短期的に介護の仕事でお金を稼ぎたいのであれば、派遣がいいかもしれないですし、短時間勤務をコンスタントに続けたいのであれば、アルバイト・パートが最適かもしれません。
つまり、自分がどんな人生を送りたくて、どれくらいの収入が欲しくて、どのような働き方をしたいのかがわからないと、雇用形態を選ぶことができないのです。なので、まずは、自分の人生設計を明確にすることが、転職活動の第一歩です。
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